介護技能実習生制度とは
基本的な考え方
外国人介護人材の受入れは、介護人材の確保を目的とするのではなく、技能移転という制度趣旨に沿って対応。
職種追加に当たっては、介護サービスの特性に基づく様々な懸念に対応するため、以下の3つの要件に対応できることを担保した上で職種追加。
- 介護が「外国人が担う単純な仕事」というイメージとならないようにすること。
- 外国人について、日本人と同様に適切な処遇を確保し、日本人労働者の処遇・労働環境の改善の努力が損なわれないようにすること。
- 介護のサービスの質を担保するとともに、利用者の不安を招かないようにすること。
また、介護サービスの質を担保する等のため、
- 移転対象となる適切な業務内容・ 範囲の明確化
- 必要なコミュニケーション能力の確保
- 適切な評価システムの構築
- 適切な実習実施機関の対象範囲の設定
- 適切な実習体制の確保
- 日本人との同等処遇の担保
- 監理団体による監理の徹底が必要とされています
介護職種の技能実習生に関する要件
技能実習制度本体(主な要件)
- 18歳以上であること
- 制度の趣旨を理解して技能実習を行おうとする者であること
- 帰国後、修得をした技能を必要とする業務に従事することが予定されていること
- 従事しようとする業務と同種の業務に外国において従事した経験を有すること又は技能実習に従事することを必要とする特別な事情※1 があること
- 本国の公的機関から推薦を受けて技能実習を行おうとする者であること
- 同じ技能実習の段階に係る技能実習を過去に行ったことがないこと
- 技能実習生が技能実習を行う理由を具体的に説明でき、かつ技能実習を行うために必要な最低限の訓練を受けている場合
- 実習実施者又は監理団体と送り出し機関との間の技術協力上特に必要があると認められる場合
※1 教育機関において同種の業務に関する教育課程を修了している場合(修了見込みの場合も含む)
介護職種固有要件
介護職種の技能実習生では前述の技能実習制度本体の要件に加えて以下の要件を満す必要があります。
日本語能力要件
介護職種で技能実習を行うには、技能実習生本人の日本語能力が一定水準以上でなければならず、
第1号技能実習生と第2号技能実習生について、下記の日本語能力要件を満たす必要があります。
第1号技能実習(1年目) | 日本語能力試験のN4に合格している者、その他これと同等以上の能力を有すると認められる者※2 であること。 |
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第2号技能実習(2年目) | 日本語能力試験のN3相当、その他これと同等以上の能力を有すると認められる者※2 であること。 |
※2 日本語能力試験との対応関係が明確にされている日本語能力を評価する試験(例「J.TEST実用日本語検定」「日本語NAT-TEST」)における日本語能力試験N4もしくはN3に相当するものに合格している者
同等業務従事経験(いわゆる職歴要件)
同等業務従事経験(いわゆる職歴要件)について介護職種の場合は例えば以下の者が該当します。
- 外国における高齢者もしくは障害者の介護施設または居宅等において、高齢者又は障害者の日常生活上の世話、機能訓練又は療養上の世話等に従事した経験を有する者
- 外国における看護課程を修了した者又は看護師資格を有する者
- 外国政府による介護士認定等を受けた者
介護職種の実習実施者に関する要件
技能実習制度本体(主な要件)
- 技能実習を行わせる事業所ごとに、申請者又はその常勤の役員若しくは職員であって、自己以外の技能実習指導員、生活指導員その他の技能実習に関与する職員を監督することができる立場にあり、かつ過去3年以内に法務大臣及び厚生労働大臣が告示で定める講習を修了したものの中から技能実習責任者を選任していること。
- 技能実習の指導を担当する者として、申請者又はその常勤の役員若しくは職員のうち、技能実習を行わせる事業所に所属する者であって、修得等をさせようとする技能等について5年以上の経験を有するものの中から技能実習指 導員を1名以上選任していること。
- 技能実習生の生活の指導を担当する者として、申請者又はその常勤の役員若しくは職員のうち技能実習を行わせる事業所に所属する者の中から生活指導員を1名以上選任していること。
- 技能実習生の受入れ人数の上限を超えないこと。
技能実習を行わせる事業所の要件
- 技能実習を行わせる事業所が、介護等の業務(利用者の居宅においてサービスを提供する 業務を除く)を行うものであること。《下記対象施設表参照》
- 技能実習を行わせる事業所が、開設後3年以上経過していること。
- 技能実習生に夜勤業務その他少人数の状況下での業務又は緊急時の対応が求められる業務を行わせる場合にあっては、利用者の安全の確保等のために必要な措置を講ずることとしていること。※3
- 技能実習を行う事業所における技能実習生の数が一定数を超えないこと。
- 入国後講習については、基本的な仕組みは技能実習法本体によるが、日本語学習(240時間。ただしN3程度取得者は80時間とし柔軟に設定できる)と介護導入講習(42時間)の受講を求めることとする。
※3 技能実習生以外の介護職員と技能実習生の複数名で業務を行うことが必要
適切な実習体制の確保
受け入れ人数 | 受け入れることができる技能実習生は、事業所単位で、介護等を主たる業務として行う常勤職員(常勤介護職員)の総数に応じて設定(常勤介護職員の総数が上限) |
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技能実習指導員の条件 | 介護職として5年以上の経験を有する介護福祉士等(看護師等) |
技能実習計画書 | 技能移転の対象項目ごとに詳細な作成を求める |
入国時の講習 | 専門用語や介護の基礎的な事項を学ぶ |
日本人との同等処遇の担保
「日本人が従事する場合の報酬と同等額以上であること」を徹底するため以下の方策を講じる
受入れ時 | 賃金規程等の確認 |
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受入れ後 | 訪問指導時の関係者のヒアリングや賃金台帳の確認、監理団体への定期報告 |
技能実習指導員の要件
技能実習指導員のうち1名は資格を有すること(下記証明書類の提出が必要です)
- 介護福祉士登録証
- 看護師または准看護師の免許証
- 実務者研修修了証明書(実務者研修修了者は8年の経験が必要)
技能実習生5名につき1名以上の技能実習指導員を選任していること
介護職種の技能実習内容
必須業務 | 技能実習生が技能や知識を修得するために必ず行わなければならない業務で、業務に従事させる全時間の2分の1以上実施する必要があります。 |
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身体介護業務
<身じたくの介護>
- 整容の介助
・整容(洗面、整髪等)
・顔の清拭
・口腔ケア1号・2号の場合は、状況に応じて実施
- 衣服着脱の介助
・衣服の着脱の介助(座位・臥位)
- 体位変換
・体位変換
・起居の介助(起き上がり・立位)
- 移動の介助
・歩行の介助
・車いす等への移乗の介助1号の場合は、状況に応じて実施
・車いす等の移動の介助
- 部分浴の介助
・手浴の介助
・足浴の介助
- 入浴の介助
- 身体清拭1号・2号の場合は、状況に応じて実施
- トイレ・ポータブルトイレでの排泄介助
- おむつ交換
- 尿器・便器を用いた介助状況に応じて実施
- 利用者の居室やトイレ、事業所内の環境整備
- 利用者の衣類等の洗濯
- 利用者の食事にかかる配下膳等
- 調理業務(ユニット等で利用者と共に行われるもの)
- 利用者の居室のベッドメイキングやシーツ交換
- 機能訓練の補助や見守り
- レクリエーションの実施や見守り
- 食事や排泄等チェックリスト等による記録・報告
- 指示を受けた内容に対する報告
- 日誌やケアプラン等の記録及び確認
- 申し送りによる情報共有
- お知らせなどの掲示物の管理
- 車いすや歩行器等福祉用具の点検・管理
- 物品の補充や管理
- 上記※に同じ
<移動の介護>
<食事の介護>
入浴・清潔保持の介護
<排泄の介護>
利用者特性に応じた対応(認知症、障害等)3号のみ実施
安全衛生業務 ※
雇入れ時等の安全衛生教育
介護職種における疾病・腰痛予防
福祉用具の使用方法及び点検業務
介護職種における事故防止のための教育
緊急時・事故発見時の対応
関連業務・周辺業務 | 関連業務は必須業務に関連して行われることのあり、修得をさせよう とする技能や知識の向上に寄与する業務のこと。業務に従事させる全 時間の2分の1以下の実施にする必要があります。 周辺業務は必須業務に関連して通常携わる業務で、業務に従事させる 全時間の3分の1以下の実施にする必要があります。 |
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関連業務
掃除、洗濯、調理業務
機能訓練の補助やレクリエーション業務
記録・申し送り
周辺業務
安全衛生業務(関連業務、周辺業務を行う場合は必ず実施する業務)
安全衛生業務は、必須業務・関連業務・周辺業務において、それぞれ従事させる時間のうち10分の1以上を充てる必要があります。
「介護」の業務が現に行われている事業所を対象とする(介護福祉士国家試験の実務経験対象施設)ただし、技能実習生の人権擁護・適切な在留管理の観点から、訪問系サービスは対象としません。